アーバンファーミングに都会も田舎も関係ない! マイクログリーンから始める地域活性化とは/株式会社バイオミメシス

男性が笑っている

農と食を通じた
コミュニティを興す
アーバンファーミング
~マイクログリーン栽培を皮切りに~

男性が笑っている
バイオミメシス株式会社
代表取締役社長 
巽 龍雄(Tatsumi Tatsuo)

持続可能な循環型社会の実現のため、2020年にバイオミメシス株式会社を設立。石川県能美市からアーバンファーミングによる地域活性化のモデルづくりを目指しています。

今回のインタビューではアーバンファーミングの理念とその内容、実現のための具体的な活動、また今後の課題についてお伺いしました。農ある暮らしにご関心ある方、小規模レストラン運営者などに是非ご覧いただきたいです。
(2022年12月インタビュー)
マイクログリーンとLED

アーバンファーミングの芽を山間集落から育む

2020年3月に株式会社バイオミメシスを設立。石川県能美市の里山エリアにある20軒ほどの集落「坪野町」の一角に事務所を構えた。代表の巽さんが実現したいのは、アーバンファーミングによる地域活性化、つまり菜園を介した人とのつながりを紡ぐことだ。

昨今、日本でもアーバンファーミングがにわかに盛り上がっている。その一方、アーバンファーミングの概念が曲解されていないかと、巽さんは危惧しながらこのように語る。

「都市部のビルの屋上で農業をやることを“アーバンファーミング“と思っている方が時折います。その活動自体を否定しませんが、アーバンファーミングは社会性、つまり農や食を通じたコミュニティづくりが本質だと思っています。」

緑の服を着ている男性
アーバンファーミングは社会性が本質、と語る巽さん

およそ3反の面積でも、アーバンファーミングは実現する。まず、近郊に小さな菜園をつくり、室内・露地・ハウスをまとめ、そこに養鶏等の家畜を併せる。

そこには「農と食」をテーマに、営農者・消費者・調理者などが出入りする。人が集まることで人間関係が生まれ、次第に悩みごとを共有したり、解決しあったりする。農と食を通じて、顔のみえる関係性、つまりコミュニティが築かれていくのだ。

アーバンファーミングは農業振興の範疇にとどまらず、循環型社会の実現をめざしている。もちろん都市・地方など関係なく取り組むことができる。例えば身近な里山、都市近郊に余る空きスペースで着手できる。それでも巽さんは、石川県能美市ほどの5万人くらいの人口規模の方が、かえって小回りが利くと語った。

コラムアーバンファーミング』
日本では『都市農業』とされている。農林水産省WEBサイトによると、都市農業のもつ6つの機能を紹介されている。
参考)農林水産省https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/tosi_nougyo/t_kuwashiku.html

当記事ではアーバンファーミングを、都市農業の6つの機能を持ち併せながら、その社会性に注目し、都市に限定されないものとして解釈している。

マイクログリーンを皮切りに、理念叶える3本の矢

アーバンファーミングを実現させる最初のステップとして「マイクログリーン栽培とシステム販売」に着手している。そのほかにも「人財育成」と「情報発信」も強化中だ。

コラム:『マイクログリーン』
	
小さな幼い野菜であり、子葉(双葉)と最初の本葉の状態の植物を指しています。食する部分としては、根から上を収穫し、茎と子葉、本葉を頂きます。
引用:MICROGREENJAPAN(https://www.microgreenjapan.com/detailマイクログリーンと黒いプランター


第1の矢「マイクログリーン栽培とシステム販売」では、1か月で誰でもマイクログリーンを栽培できるようなキット開発・提供をしている。営農者以外の方々も巻き込むためにも、参入ハードルを下げているのがポイントだ

マイクログリーンを採用するメリットは、以下の通りだ。
①比較的に、栽培難易度が低い
②室内栽培のため、災害リスクが低い
③栽培の回転率が高い

本業で取り組まなくとも、副業・趣味からでも実践できる。

マイクログリーンとLED
LEDライトを活用し、室内栽培を実施する

第2の矢「人財育成」では、市場を丁寧に盛り上げていく仲間づくりが目的。そのためキット販売するにあたっては『業務提携契約』を採用している。

米国中心に健康食の代名詞とされるマイクログリーンは、まだまだ日本では普及していない。現時点では、安易に生産者を増やすことはプラスにならないため、きちんとした栽培ができる人財を育成しながら、一緒に市場を盛り上げていく仲間を育てたいと意気込んでいる。

マイクログリーンは栽培しやすい一方で、滅茶苦茶な方法で栽培すると、かえって有害な菌を培養してしまう恐れもある。巽さんがアドバイザーとして関わることで、指導・ノウハウを写真等で使いながら共有し、適切な栽培方法を指導できる。またキットを違法利用することも防げるため、現状では業務提携契約が適しているようだ。

男性2人がマイクログリーンをみている
業務提携先に、栽培指導をする様子

第3の矢「情報発信」では、WEBサイト『MICROGREENJAPAN』を運営し、情報発信に努めている。実際のところ、マイクログリーンの認知はまだまだ低いため、「情報発信」が欠かせない。農業希望者だけでなく、農ある暮らしに興味ある人や、地産地消を積極的に着手したい小規模レストランに対して情報を届かせていきたい。

全国販売を開始
地域を超えたコミュニティ

実際に、小規模レストランでマイクログリーンが利用され始めている。地産地消を積極的に取り組む小規模レストラン『SHÓKUDŌ Yarn(石川県小松市)』では、株式会社バイオミメシスのマイクログリーンが使われているのだ。

さらに2023年1月に、「マイクログリーン&マイクロハーブ室内販売システム」の全国販売を開始した。アーバンファーミングは1つの地域と集団に留まらず、理念を共有した全国の仲間と繋がるなどの発展も期待できる。石川県能美市からアーバンファーミング発展の芽が出始めている。

今後のステップは、露地栽培に着手すること。拠点のある石川県能美市に、農地があれば理想。現在は具体的な農地先が無いため、農地をご提供いただける方や、農地のあてがある方はぜひご協力いただきたい。

「地域活性化×農×食」にアンテナ立つ方と共創したい

当面は情報発信を強化し、近隣地域のマイクログリーン需要の掘り起こしに励む。キーポイントはやはり、地産地消にこだわりを持つ小規模レストラン。まずは小規模レストランから利用していただき、ゆくゆくは個人消費者に波及する流れをつくりたい。

また、デジタル分野の情報発信をお手伝いできる方も求めている。たとえばSEO対策・コンテンツマーケティング等をお手伝いできる方は、ぜひご検討いただきたい。移住・起業希望者向けのインキュベーション施設「Tokiwa Villa」を用意しているため、たとえばテレワーカー・リモートワーカーが住み込みしながら、情報発信をお手伝いすることも想定できる。

アーバンファーミングを一緒に盛り上げたい方、マイクログリーンを利用したい小規模レストランの店主、また農と食を通じたコミュニティづくりに関心ある方など、循環型社会の実現をめざす仲間を探しています。ぜひとも一緒に盛り上げていきましょう。

メガネをかけた男性
事業所バイオミメシス株式会社
所在地石川県能美市坪野町ロ211番地
募集求人正社員雇用なし
※デジタルマーケティング経験者、農業希望者は要相談
備考『Tokiwa Villa』は巽さん個人との賃貸借契約となる
木と家がある集落

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