ビジョンへ全速前進!表面処理のPVDコーティング技術で、ものづくり業界を盛り立てる。/オンワード技研

モノづくり業界に
愛される企業になる

夢と未来への投資

青い服を着た男性
株式会社オンワード技研
代表取締役社長
川畠 丈志 (Kawabata takeshi)

PVDコーティングの受託加工を中心に、多彩なコーティング技術を有する『オンワード技研』。全国の取引先を着実に開拓するだけに留まらず、旧社屋の3倍にあたる新社屋を福島グランパーク(能美市・福島産業団地)に建設するなど、大幅な設備投資をしています。

本インタビューでは、新社屋設立の狙い、今後の展望、人材採用ついてお伺いしました。オンワード技研にご関心ある方、就職をご検討されている方は是非「求人情報」もご覧ください。
(2023年3月インタビュー)
オンワード技研の社屋

繊維業から一転、PVDコーティング・メーカーへ

川畠社長:1986年にオンワード技研を設立、それ以前は川畠機業所として繊維業をしていました。北陸地域は繊維業がさかんなエリアですが、昭和50年以降に海外製品が登場してから、当社は事業転換を検討していました。

事業転換の際にポイントだったのが、在庫をもたない商売をすること。そのような観点で新規事業を模索する中、ISICO(石川県産業創出支援機構)に相談した際にたまたまPVDコーティングの先生との出会いがあり、PVDコーティングを知ったようです。

当時はPVDコーティングに名前がついていない時代でしたが、今後このような技術が普及する可能性があること、そして在庫がない受託加工のビジネスができることからPVDコーティングを選んだ経緯がありました。現在も受託加工が中心、お客様に部品をお借りして加工後に返すスタイルなので、材料・製品ストックがないのが利点です。

部品が4つ並ぶ
部品先端にコーティングが施されている

最初は大手工具メーカー様と研究開発をしながら、なんとか仕事をもらっていました。またサンプルを作ってはものづくり会社様に営業して、徐々に仕事を増やしていきました。

2001年に自社開発のDLC(Diamond-like Carbon)コーティング装置を完成し、特許も取っています。2004年には技術研究所を開設し、今では技術力が強みの企業となりました。おかげさまで業界では「DLCコーティング・メーカー」としての認知をされるまでになり、日本全国には600社以上の取引先様がいます。また『本当に強い地方企業』ランキングでは全国16位に選出いただき、当社の価値を認めていただけています。

コラム:本当に強い地方企業とは?

日経トップリーダー・東京商工リサーチの共同調査により、地方の優良企業を1~25位まで発表(2016年1月号)。石川県能美市からはオンワード技研を合わせ、2社がランクインしました。

参考:日経BP記事検索サービス『本当に強い地方企業

表面処理はなぜするの?
奥深いPVDコーティング

コーティングの本質は「寿命を延ばす技術」。私たちはお客様からドリル・金型等の工具をお借りし、その表面に薄くて硬い、滑りやすい膜を作ります。このように表面処理をすることで、耐久性が向上するんです。

例えば、包丁を使い続けると次第に切りにくくなりますよね。あれは刃先が丸くなったり、欠けたりしているからですが、ドリルも削るうちに段々刃先が削れていきます。原理は一緒です。

コーティングにはたくさんの種類がありますが、私たちは数少ない『PVDコーティング』を専門にしている企業です。特徴は精密機器などの「小さな部品」を加工するのに適している技術。実際の工程は、1.5mほどのBOX(成膜装置)に加工したいものを入れて真空にし、金属を蒸発させてプラズマを起こすと、1ミリほどの膜が部品に乗っかります。

PVDコーティングを解説する川畠社長


PVDコーティング加工において大事なのは、実は前処理の工程です。密着性に影響があるため前処理をしっかり実施しないと、上手く膜が乗っかりません。前処理、洗浄、検査、組立してやっと成膜作業に移ります。

このPVDコーティング加工技術に加えて、独自コーティング技術を実現する自社装置製造、コーティング膜の豊富なラインナップ、お客様のご要望に1品単位から対応できる小ロット対応が強みです。

不景気に強い
ものづくり会社!
ポイントは分散化

災害や景気後退などを乗り越えた経験から、不景気にも耐えることができると自負しています。ポイントは分散化です。

2007年に栃木県に関東工場を設立、その翌年にリーマン・ショック。あらゆる産業が売上が大幅に減少した中、僕らは極端に売上が下がらなかった。理由は一社依存型でなく、あらゆるものづくり業界とお仕事していたからです。この時は電子部品分野でカバーしていました。

ちなみに電子部品では、コネクター・半導体等の製造に使用する「金型」にコーティングをしています。金型はDLCコーティングとよばれる技術を使いますが、このDLCコーティング市場で、金型が最も伸びている成長分野です。実は、当社はDLCメーカーの中でマーケットシェア5位、とくに金型分野では1~4位の企業様を抜いてダントツ1位のシェアです。

青い服を着た男性2人と女性1人、黒いジャケットを着た男性1人
インタビューの様子


もう1つ事例をご紹介します。2011年の東日本大震災時には、当社の関東工場にも影響がありました。まともに操業できない中、人力で石川県能美市の本社工場に品物を運び、なんとか納期に間に合うことができたんです

幅広いものづくり業界と仕事をすること、製造拠点が2つとも別地域にあったことでリスク分散ができ、結果的に不景気を乗り越えることができました。コロナ禍においてもその強みは生かされており、2~3%程度の売上減少で済んでいました。

大幅な設備投資、実現したいビジョンへ

目指すべき企業像は「多くのモノづくり業界に頼りにされ続ける企業」になること。当面はさらなる発展に向けた基盤づくりをしていきます。具体的には成長市場の既存DLCコーティング市場の強化、そして医療分野の強化を図っていきます。とくに医療分野は参入障壁が高いため競争が少ない、だからこそ積極的に取り組みたい。

今後の発展を考えたうえで、旧社屋では課題が多かったんです。2013年から本社工場の建て替え案が出ていた中、2016年に福島グランパーク交渉の説明を受け、新工場設置に向け動き出しました。旧社屋とくらべて約3倍の13,000㎡に、会社機能や研究施設を順次集約していきます。

田んぼに社屋
田園風景に囲まれた新社屋


新社屋で3つの効果を狙っています。1つ目は労働環境の改善で、配置やエリアを組み換え、またクリーンルーム導入して清潔な職場環境を実現。2つ目は生産効率性の向上で、wi-fi完備とカメラ・モニター等を導入した工場のデジタル化。また電気代の圧縮のためにガスバルク設置、エネルギー自給のためにソーラーパネルを設置しました。3つ目は知名度向上で、新規獲得にも繋げたいと思っています。

工場見学の様子
つくえがならんでいる
カフェの雰囲気の事務所
霊峰白山を望める2階食堂

でかい投資となりましたが、目的は既存事業と医療分野の強化を図り、企業としての基盤づくりをすること。そしてその先のビジョンとして、関東工場にも本社工場並みの設備を導入する「天下二分の計」を描いています。多くのモノづくり業界に頼られるべく、まだまだ僕たちは前に進んでいきます。

未経験歓迎!
一緒に夢を描き、叶えよう。

これまでは中途採用中心でしたが、近年は新卒採用にも力を入れています。年齢構成のバランスも改善してきました。仕事内容は他ではあまり経験できないと思いますので、経験の有無は問いません。ただしモノ自体が細かいものが多いため、根気よく向かい合える人が向いていると思います。

OJTで仕事を覚えていただく一方、座学講座『木曜講座』を用意しています。業界や技術の話から、社会人としてひととおり覚えておくことなど、網羅的に学んでいただけます。

ものづくり業界の未来を作り、そしてオンワード技研のビジョン実現を目指す仲間を募集しています。移住希望者の方はぜひ、本社へお越しください。

事業所株式会社オンワード技研
所在地石川県能美市 福島グランパーク
募集求人求人紹介」を参照ください
備考新卒採用も募集中(2023年6月現在)

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