先代の魂を乗せ
現代を走り抜ける
運送会社の挑戦

大協運送株式会社
代表取締役社長
津田　淳一さん

創業64年を迎えた『大協運送』。馬搬業を原点とし、北陸唯一のミシュランタイヤ特約店としてタイヤ販売業を展開してきました。近年はローカル志向を展開しながら、業界の課題を乗り越えるべくスタッフが誇りを持てる会社づくりに励みます。

本記事では、大協運送の創業と転換点、業界の常識に挑む取り組み、また今後のビジョンについてご紹介します。運送業が好きな方、誇りを持てる仕事をしたい方は必見です。
（2024年11月インタビュー)

時代の荒波を駆ける
運送会社の原点は
砕石の馬搬業。

津田社長：
先代は小さい頃から家業を手伝っていましたが、その１つが馬搬業でした。当時は砕石を運ぶのに馬車が使われており、先代は馬をよく可愛がったみたいです。時代が進みトラック運送が中心になると、泣く泣く愛していた馬を手放しトラック一台を購入。1965年に石川県能美市で、『大協運送』をスタートしました。

わたし自身は2016年に代表を引き継いでいます。現在は運送業をメインとし、県内や中京・関東方面までモノを運んでいます。倉庫も持っているため倉庫保管から配送までの総合物流サービスも実施します。その一方で、ミシュランタイヤ販売業も行っています。

これまで数々の荒波を越えてきましたが、今後も予想できないような社会変化に直面すると思っています。例えば、自動運転の実現やインフラ整備が進めば、運送業者の価値も変わっていきます。だからこそ「運ぶから、つなぐ。」を掲げ、新たな価値創造ができる会社へと改革を進めています。

2度の転換点から
ローカル志向に
サービス展開

津田社長：
これまで2度、大きな転換点がありました。1度目はミシェランタイヤとの出会いです。ミシュランタイヤに関心を持った先代が仲間内に勧め、販売成績が良かったんです。次第にミシュランタイヤの物流拠点を担うようになりました。

大手総合商社に次いで、現在も北陸唯一のミシュランタイヤの特約店として販売しています。わたし自身が入社前にタイヤ販売店に勤めていたのは、タイヤ販売の修業のためです。ミシュランタイヤ販売が伸びると倉庫業も拡大する、そんな好循環でした。

2度目はリーマンショックです。順調だったタイヤ販売業と倉庫業が大きく落ち込みました。ミシュラン側も経営が厳しくなり、大きな体制編成を経て、物流拠点を閉鎖することに。とにかく倉庫を埋めるために地元企業を回り、助けていただきました。この頃から地域密着にシフトしましたね。

石川県能美市は工業団地がいくつもあります。地場企業が自らモノを運んでいたので、私たちがお手伝いすれば、それぞれ得意なことに注力できると提案しました。長いことお付き合いある地場企業には、企業ごとの担当スタッフがいる付き合いになっています。

一匹狼からチームへ
業界の常識を疑い
できることをやる

津田社長：
運送業界全体で、大きな転換点を迎えています。これまでは教えることを後回しに、仕事ができる人がガンガン働き稼ぐ時代でした。いわゆる一匹狼の集いです。しかし昨今はそのような働き方が難しくなっています。

最近は未経験者の入社も増え、運転技術の継承が急務となっています。座学やOJTを通じてしっかり技術を教えていますが、それ以上にチーム意識を育てる必要がありました。社内定例ミーティングや個人目標設定を導入したり、制服の統一化も図ったりとできることから着手しています。

弊社には県外出身者や外国人などの移住者も活躍しています。そのような遠方から来られた方には、1年間家賃なしで寮に住まわせたことがありました。スタッフにもお客様にも、「私たちができることは何でもしよう！」と常々思っています。

運送業を拡張せよ！
新たな価値を創る
仲間を募集中です。

津田社長：
自らの会社や仕事に誇りをもつスタッフが増えてほしい、そして子どもや知人を誘いたくなるような会社にしていきたいなと常々思っています。そのためには業界の常識を変え、運送業以上の価値を創っていかないといけません。

奇しくも2024年の能登半島地震をきっかけに、あるべきカタチがみえました。被災者支援で家財預かりと引っ越しのサポートを請け負ったときです。被災者様から大変感謝され、またご自身で描いた大切な絵も譲っていただきました。この経験からモノを運ぶ以上の価値ってあるんだなと、わたしたち自身も励まされたんです。

今後も地域密着を意識しながら、私たちしかできないサービスを展開したいです。運送業が好きな方、運ぶ以上の価値を創る仕事をしたい方、石川県能美市に移住する方はぜひ一緒に働きましょう。まずは職場見学もOKです。