石川県能美市で農業体験して気づいた!新規就農したければ、移住前から農業のスキルを磨いておこう。/たけもと農場

生きるために
文殊の知恵を
構築し合う農家

たけもと農場の竹本社長と農業体験者が語る
有限会社たけもと農場
代表取締役社長
竹本 彰吾(Takemoto Syogo)

藩政時代からこの地で米づくりを継いできた『たけもと農場』。1966年に天皇杯受賞、1993年に個人事業から法人化へ。現代表の竹本彰吾さんは計画的な事業承継を実施し、32歳で代表になりました。その一方で『アグリファンド石川』の会長を務めるなど、石川県の農業界を引っ張る存在です。

本インタビューでは、たけもと農場で1カ月ほど農業体験した方と、竹本社長のお話を伺いました。「なぜ農家は横の繋がりが強いのか?」と「新規就農する準備」をテーマに、農業の魅力や課題についてご紹介しています。
(2023年10月インタビュー)
たけもの農場の外観

農業体験を通して
農業の価値を
再考できた

農業体験者:
首都圏から初めて石川県能美市に来て、約1カ月受け入れいただきました。『たけもと農場』では皆さん優しく、そして主体性持って仕事をする姿が印象的でした。

代表の竹本さんは、普段からポッドキャストなどで情報発信もされているためので、もっと饒舌な方と思っていました。実際にお会いすると、マイルドなお人柄で驚きました。

青い服を着た竹本さんの写真
青いTシャツがシンボルの竹本社長


普段のデスクワークと比べて、農業は人間の身体に合う仕事だと思いました。日が昇ると働き、沈むと終える。自然がペースメーカーであり、自然に沿った働き方は魅力ですね。

あとは、メリハリある生活ができたのもよかったです。昼は外で農作業ですが、夜は室内で何かできるため、農業+αがしやすいと思いました。デスクワークはずっと室内にいなければならないため、メリハリがつきにくいというか・・・。

そして、改めて農業に触れてみて、農業の価値が広く伝わっていないと痛感しました。今回受け入れてくださった『たけもと農場』さんからは色んなお話を聞きましたが、多種多様な知識・経験が必要なことが分かりました。

農業の特徴が
農家さん同士の
繋がりを生む

農業体験者:
農業を仕事にするには創意工夫が必要ですが、実際にやってみないと分からない部分も多いなと思いました。

竹本社長:
「やりながら考える」は重要です。農業全般、とくにお米は1年に1回しかつくれないため、試行錯誤のペースが極端に長いんです。もちろん細かい試行錯誤は途中にもありますが、最終的な結果、つまり収穫は1度しかありません。

田んぼと青空


農業体験者:
そこはデスクワークと大きく異なりますね。デスクワークでは、PDCAサイクルのペースが速すぎて、活かせていないと思うこともあります。農業特有の時間軸の長さは、逆の発想でみると、じっくり反省できるとも捉えられそうですね。

竹本社長:
そういう側面もありますね。あと農業は、自然に左右されてしまう点も大きく異なると思います。時間軸が長く、不確実性も多い。だからこそ農家は横の繋がりを持ち、知恵や情報を共有する必要があるんです!おそらく昔から農家同士はオープンですよ。同じような境遇を知る仲間ですからね。

農業体験者:
時間軸が長く、自然に左右されてしまうからこそ、仲間同士で繋がる。実際に農業にチャレンジする方々は、孤独に頑張るのではなく、同業者で支え合うわけですね。

新規就農のコツは
移住前の準備

農業体験者:
いざ自分が新規就農すると考えたら、やっぱりハードルの高さを感じます。1つは、就農する道筋がイメージできないこと。いきなり1人で始めるのは厳しい。まずは技術や経営を学ぶ必要がありそうです。

もう1つは、農業に必要なスキルが実はあること。実際に、自動車普通免許のマニュアル免許を所持していないため、できない作業がありました。農業をするために必要なスキル・知識などを事前に把握しておけば、移住する前段階でも就農に向けた準備ができると思います。

竹本社長:
貴重なご意見ありがとうございます。普段からポッドキャストで発信したり、農業のお手伝いを募集する『おてつたび』を活用したりする目的の1つが、農業をより広く知ってもらうためでもあります。今後の活動に参考にさせてください。

石川県能美市に
実際に住んで
感じたことは?

農業体験者:
石川県に来たのは初めてですが、住みやすいところだなと思いました。個人的には石川県能美市の雰囲気が気に入りました。田園風景が拡がっており、朝晩は涼しく、空気がきれいでした。

休日は近隣の温泉場をいくつか巡ったり、公共交通機関で能登半島や福井県も行ってみました。県外にも近いため、気軽に出やすいので楽しみも多いなと思いました。

課題を感じたのは、車が無いと生活しにくいところですね。出勤や生活するにも、車が必要なエリアだと思いました。普段から電車通勤をしているわたしとしては、車通勤自体は快適でした。これを機に自動車普通免許を取ろうと思います。

約1カ月の農業体験でしたが、本当に来れてよかったです。今度は他の季節でも訪れてみたいです。まずは関係人口として繋がりを作っていこうと思います。この度はありがとうございました!

事業所有限会社たけもと農場
所在地石川県能美市牛島町ロ175番地(たけもと農場
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