金沢市から移住し、石川県能美市の500坪土地に住まう。自ら設計した築200年古民家のリノベーションポイントは?

彩りある暮らしを
古民家リノベで
実現した移住夫妻

Iターン移住者
田代 彩子 (Tashiro Ayako)


富山県出身、東京と金沢市を経て2021年に石川県能美市へ移住した田代さん。石川県能美市
の500坪の土地を手に入れ、築200年古民家のリノベーションを自ら設計しました。現在は自然豊かな環境のなか、能美市での子育てを楽しんでいます。

本インタビューでは、田代さんの経歴、能美市への移住経緯、そして古民家との出会いとリノベーションについてお伺いしました。古民家や空き家をリノベーションして住みたい方や、広々とした環境で暮らしたいファミリーの方は必見です。
(2024年11月インタビュー)

500坪の土地と
200年の古民家で
四季を味わう暮らし

田代さん:
わたしは富山県出身で、以前は石川県金沢市に住んでいました。埼玉県出身の夫とは金沢市で出会っています。2021年に石川県能美市に移住、現在は4人家族で暮らしています。

移住前は能美市のイメージがあまりなかったけれど、いざ暮らすと子育てしやすいなと実感しています。子ども向けのイベントが多かったり、人の温かさだったり、あと子育て支援も充実しています。金沢市も好きだけど、子育てなら能美市が良いと感じています。

現在の住まいは約500坪の広大な土地にある、築200年ほどの古民家です。ちょうど今は紅葉が綺麗であるように、四季の移ろいを感じるんですよね。建築設計の仕事をしているので、古民家リノベーションの設計も自らしました。とっても大好きなおうちです。


暮らしの視点と
地域性を重視する
建築士になるまで

田代さん:
“日常の暮らし”を仕事にできたらと思い、日本女子大学の住居学科に進学しました。最初は住居学を勉強しますが、日常のすべてが学びに変わります。とても楽しかったですね。

しだいに建築設計の授業が増え、建築家の建築を観ては憧れていました。卒業課題を頑張りすぎて選定会の翌日に倒れたことがあるほど、建築にハマっていましたね。幸いにも、選定会で賞を頂けたのは救いでした。

建築士になるまでを振り返る、田代さん


卒業後は地元の建設会社で設計をしました。いずれ設計事務所で働きたいと思っていたので、一級建築士を取得し、現在の株式会社ENNに入社しています。東京での就職も考えましたが、現職への決め手は”地域性”を大事にする姿勢でした。

住宅ばかりの前職と異なり、現職では商業施設等の設計にも携わるようになりました。また既存建築物の活用方法を、いちからオーナーさんと考える経験もしました。どんなお仕事でも、地域性を意識しながら日々設計に勤しんでいます。

合理性と非合理性が
マッチした物件と出会う

田代さん:
仕事は充実する一方、住居には悩んでいましたね。家族が増えていくにつれて、家が手狭になっていったんです。物件さがしをするうえで”広い庭”を求めていましたが、金沢市だと希望と予算面の折り合いがつかない。物件さがしが難航していました。

そんなときに「あった!!」と、夫がネットで見つけたのが能美市のおうちだったんです。「能美市?遠いからムリムリ!」と返しましたが、たしかに範囲を広げていいかなとも思っていたので、とにかく現地に行ってみたんです。

そしたら、なんとも子どもの頃の懐かしい記憶が蘇ったんです。たしかに地元と人口規模が近いのですが、それ以上に風景が似ていました。平野が広がり、大きな川が海に流れていき、その遠くには山並みが見える。さらに観覧車が見えることも似ていたんですよ。



都市生活で忘れかけていた記憶が蘇り、能美市もいいかもと思いました。もちろん、条件と予算にも合うものでした。また夫も古民家暮らしの憧れがあったようで、能美市の古民家に住むことに決めました。


石川県能美市で
リノベ暮らしをしたい
移住者を応援します

田代さん:
設計士として、自分の住む家のリノベーション設計をすることになりました。意識したのはとにかく機能性をあげること、とくに寒さ対策です。普段の仕事で古民家を扱う際にも言うのですが「小っちゃく住もう」の考え方でいきました。

つまり、古民家全体を温かくするのではなく、場所を絞って熱効率を高めて改修するんです。キッチンと居間、そして水回りが近くなるように間取り変更をしました。また部屋を区切ることで熱効率を高めました。冬は小さく住むことが、温かく住むポイントです。

同時に、ノスタルジーに傾倒するだけでなく、古民家の伝統的な真壁や梁、古くからの和箪笥、新しく作った大壁、ニュートラルなデザインのキッチンとが互いに良さを引き立て合うように心がけました。




夫がみつけた古民家を、わたしが設計して我が家に。窓から庭をのぞけば、四季を実感します。古民家に住む贅沢さを感じながら日々暮らしています。それも200年以上続いた古民家のおかげですので、後世にも残したいなと思いますね。

実際に生活してみると、金沢市への通勤は不可能ではありませんでした。金沢付近に住むファミリーや、自然豊かなところに移住したい方には、石川県能美市はオススメです。そのなかで空き家や古民家にリノベーションして住みたい方は、ぜひお手伝いします。

移住希望者さんは、ぜひご自身の想いを大事に進めてほしいですね。わたしもそうですが、移住する際には周りから反対されることもあります。それでも、理想の住まい方を実現したい気持ちが大事です。自分なりのやり方で、暮らしを創っていきましょう。


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