小さく起業し
新たな価値を
地域に提案する

合同会社 LINKUP
代表・中出 逸太 （Nakade Itsuta）

2017年にスケートボード場をスタート、2021年に合同会社LINKUPを設立。現在はスケートボード場の運営と、店舗でのグッズ販売を中心に事業を展開しています。

本インタビューでは、起業をした理由、融資なしで新規ビジネスを始めた方法、今後の展望についてご紹介しています。石川県能美市で小さく起業したい方や、スケートボードに興味がある方は必見です。
（2024年4月インタビュー）

自らの課題感から
スケートボード場を
開業しました

中出代表：
2017年にスケートボード場の運営を開始、2021年に法人を設立しました。主な事業内容は、スケートボード場「Link up Skateboard shop & park」の運営事業と、スケートボード関連グッズの販売事業です。また、YouTubeやInstagram、ブログ等の情報発信にも取り組んでいます。

僕自身はスケートボードを長らくやっていますが、昔から練習場所を探すのに苦労していたんです。だったら「自分でスケートボード場を創りたい！」と考えていました。それからスポーツ用品店でバイヤーの経験を積み、起業に至りました。

スケートボード場には日中時間がとれる職業の方や、小学生が放課後に楽しんでいたりと、多様なスケートボード好きが集まる場所になっています。僕が大事にしているのは、目先の利益を追うことより、お客様と家族のような関係性をつくることです。お客様を大事にすることが、事業を続けるうえで大切だと思っています。

融資なくとも
スモールスタートが
できた理由とは？

中出代表：
スケートボード場は、加賀産業開発さんに「KSKビル」を新築いただき、テナント物件として借りています。加賀産業開発さんのおかげで、スケートボード事業のハードルを乗り越えることができました。

スケートボード場を創るにあたり、大きなハードルが物件さがしでした。スケートボードは大きい音が発生するため、騒音問題が起こらない場所が必要です。実際に、現在のスケートボード場に至るまで2回場所を変えています。騒音問題にならない立地で、かつスケートボード場が運営できる物件はなかなかありません。

そこで土地・建物を自ら取得し、スケートボード場を整備しようと考えると、もう1つのハードルが発生します。それが融資です。銀行に融資相談をしたところ、スケートボード場の運営は前例が少ない事業ゆえに、融資が受けられませんでした。

そこで、加賀産業開発さんから「ＫＳＫビル」を提案いただきました。事業をふまえた立地を選定し、テナント物件を新築して、僕がテナント物件として借りるフレームでした。おかげさまで、自己資金が少なく、融資が受けられない状況でも事業が開始できました。

加賀産業開発の「KSKビル」の取り組みについて、別記事「石川県能美市に独立開業者が！？」をご覧下さい。

業界への関心に
大きく水を差す
2つの要因

中出代表：
スケートボード業界は、コロナ禍で競技人口が増えていき、東京オリンピックでブームになった節がありました。その一方で、現在は頭打ちになっているのを感じます。

要因は2つあります。1つは練習場所の不足です。競技人口が増え、練習環境が足りていない現状があります。既存のスケートボード場は経験者が集まる傾向があり、初心者にはハードルが高いんです。初心者でも気軽に楽しめる公共施設が求められます。

もう1つは、価格上昇です。スケートボードグッズは海外の輸入品が中心です。エネルギー高・ウッドショック、そして最近の円安の影響から価格が上昇しています。実感として、1.5倍くらい上がっていますね。

これらの理由から、初心者が気軽に始めるハードルが高くなっていたり、経験者がグッズ等を買い控えています。

体験プログラムや
独自ブランドで
業界を盛り上げる！

中出代表：
業界を取り巻く環境が芳しくない中で、当社として新たな展開を考えています。たとえば体験プログラムです。このあいだは初心者向けのレッスンを実施しました。また、今後は独自のブランドを開発することも視野に入れています。

その一方で、地域を巻き込んでスケートボード業界を盛り上げたいと考えています。石川県能美市にはスケートボードが楽しめる公共施設がないため、まずはその課題にアプローチしたいです。一緒に盛り上げてくれる方がいれば心強いですね。

石川県能美市に移住されてからスケートボードを楽しみたい方や、新しくスケートボードを始めたい方は、お気軽に「Link up Skateboard shop & park」にお越しください。お店でお待ちしています。